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フードロス削減やサステナビリティへの取り組み視察:スーパーマーケット ベルク様


2024年7月17日(水)、スーパーマーケット「ベルク フォルテ八王子店」様へ、小林先生と大学院生2名、小林ゼミ生11名で視察に伺いました。ベルク様は「Better Life with Community(地域社会の人々により充実した生活を)」を経営理念に掲げ、埼玉・群馬県を中心に関東で138店舗を展開し、「安く、おいしく」を提供する地域密着型のスーパーマーケットです。フードロス削減のためのDX推進やサステナビリティへの取り組みを積極的に行っており、特にフォルテ八王子店は、様々な最新システムが導入されている大型店舗です。

 

視察はバックヤードの見学からスタートしました。最初に見学したのはバイオ式生ゴミ処理機です。この処理機には微生物が含まれており、生ゴミを投入すると微生物がそれを分解します。生ゴミは水と二酸化炭素に分解され、水は排水管を通して排出されます。処理中の野菜の生ゴミを実際に見てみると、かなり細かくなっており、生ゴミ特有の臭いも感じませんでした。このように、手間がかからず環境に配慮できる設備の重要性を感じました。

 

 

その後は、店頭で販売されている商品の製造ラインを見学しました。特に印象的だったのは、全ての工程で「生産性を上げるため」の効率化が図られていたことです。例えば、製造ラインから店頭の総菜コーナーに直接繋がるベルトコンベアーです。出来上がった商品をトレーに乗せてベルトコンベアーに置くだけで、商品がそのまま店頭に運ばれるため、品出しの手間が省けます。このように、限られた人員で質の高い商品を提供するための画期的なシステムに、皆が感動しました。

 

 

さらに今回は、ベルク様が主に総菜売り場に導入しているAIカメラ「Safie One」を提供するセーフィー株式会社様の広報担当の方にもご同行いただき、AIが処理したデータを拝見することができました。カメラは、店内の動画からAIを用いてお客様の動線をデータ化し「どのエリアの商品が見られているか」を判別しています(セーフィーウェブサイト参照)。AIが処理したデータは、客数の波や商品購買率を曜日・時間ごとに棒グラフで確認できるようになっていました。ベルク様はこのデータを活用し、毎日の商品仕入数や製造数を決定し、フードロス削減に取り組まれています。また、POSデータと連動させることで、売れた商品のうち値引き商品がどれくらいあるのかを管理し、店舗の利益管理にも役立てているとのことでした。AIにより消費者の購買動向が可視化されることで、会社と社会の両方に利益をもたらす好循環が生まれることを実感しました。

 

見学後は、サステナビリティ広報室の室長様をはじめとした社員の皆様とディスカッションを行いました。サステナビリティに関する講義の後、学生からの質問にも丁寧にお答えいただき、どの場面でも「お客様、そして社会により豊かな生活を」という理念を軸に持つベルク様の真摯な姿勢を感じました。最後には、商品の試食もさせていただき、ベルク様の想いが詰まった美味しさを堪能しました。

 

今回の経験を通して、スーパーマーケットが社会に提供する価値の可能性について視野を広げることができました。このような貴重な機会をくださり、最初から最後まで温かく、全力で向き合ってくださったベルク様の皆様に心から感謝いたします。今回得た学びを、今後の研究活動に存分に活かしていきたいと思います。

(家政経済学科3年 N.Mさん)