4月に着任した小林富雄先生が担当する「フードシステム論」と「マーケティング論II」の魅力とポイントを、お聞きしました。
フードシステム論
フードシステム論とは、食料が生産されてから消費、または廃棄されるまでを担うあらゆる組織や個人の相互関係をシステムとしてとらえ、SDGsでも示されている社会・経済・環境の課題を各方面から包括的に分析し理解する学問分野です。
特に近年の日本では、子どもの貧困や農業の跡継ぎ問題などが表面化し、エシカル消費や子ども食堂などのオルタナティブ(代替的な)フードシステムを構想し実行するためのアントレプレナーシップ(起業家精神)についても学ぶことが大切です。現在のフードシステムを理解し受け入れるだけでなく、そこに疑問を持ち積極的に介入してゆく姿勢が評価される時代なのです。
本講義では、食に関わる国内外の最新動向を紹介しながら、未来志向のフードシステムを理解するための基礎的な方法論を学びます。具体体には、農家での生産、選別、包装、仕分け、配送、販売、調理、消費に至る一般のフードシステムを学びます。そのうえで、国際的な食文化の融合、生活環境の変化、食品ロスや貧困などの問題などを包括的に説明する新しいフードシステムを説明する能力も問われるでしょう。
フードシステムを学ぶ究極の目的は、皆で良い食事をすることです。1日3回の食事が充実すれば、人生も充実することは間違いありません。ぜひ楽しく学んでいきましょう!
マーケティング論II
マーケティングとは、「お金」と「モノ」のような人が介在する交換の「マッチング」を考える学問領域です。20世紀初頭のアメリカではじまり、当時、過剰が問題となっていた農産物にも応用されました。
現在では、恒常的にモノ余りのために商品が売りにくくなっています。さらに消費者の選択肢が多すぎて、買いにくいという場面も増えてきました。そのため、ビジネスパーソンや行政、そして家計の経済活動(個人間売買、職場やご近所へのおすそ分けなども含む)でも、マーケティング的思考が求められるようになっています。
このような時代背景のもと、本講義では、マーケティング論Ⅰで学んだ4P(製品、価格、流通、プロモーション)やSTP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)といった基礎をふまえ、より実践的で拡張されたマーケティングの本質を学びます。
具体的には、消費者行動論や消費者心理を学びながらマーケティング戦略を立案し、SNS時代のデジタルマーケティング、社会課題を解決するソーシャルマーケティング、そして海外進出のためのグローバルマーケティングという周辺領域まで概念を拡張していきます。ぜひ世の中の動きを敏感に察知して、新しいマーケティングの世界を開拓していきましょう!