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卒論審査会を終えて


2024年度も無事に卒論審査会が終了しました。

今年度の各コース優秀論文に選ばれた4年生に、卒論執筆の思い出をうかがいました。


公共・生活コース

<公共・生活ガヴァナンスゼミ>

 卒論審査会を終えて、ようやく肩の荷が下りました。締切に追われる焦燥感はもう味わいたくありませんが、今振り返ると、各方面に頼りながらも手応えのあるものに仕上げられたと感じています。

 私は「ソーシャルマーケティング」という分野について卒業論文を執筆しました。普段は商業的な意味合いで使われるマーケティングの理論を社会課題の解決に応用し、個人や社会の行動をより良いものに変革するための要因を分析する、という分野です。私は献血推進団体でボランティア活動をしており、若年層の献血離れを肌で感じていました。献血者数を増やすために必要なものは何なのか、家政経済学科で学んだマーケティングの理論を使って分析してみたいと思い立ったのがテーマ設定のきっかけです。

 実は、2年次に選択したコースは経済・経営コースでしたが、3年次から所属したゼミは公共・生活コースのゼミでした。マーケティングを扱う私の研究は、ゼミのみんなとはやや異なる路線だったので、先行研究を探すのにはとても苦労しました。しかし、そんな方向性の違う人たちが集まるゼミの研究報告会が、私にとって毎週の楽しみでした。自分の好きなことをテーマにしている人が多く、こんな文化や理論があるのか!と刺激を受けましたし、研究が行き詰まってくると人に指摘されてはじめて気づくことも多くあったので、お互いに思考整理をし、研究をブラッシュアップする良い機会になりました。ぱったり筆が止まってしまったこともありましたが、「卒業しないとみんなに合わせる顔がない……!」という見栄っ張りな性格が支えになって、なんとか論文を形にすることができました。自分の主張を数万字にわたって論じるという人生初の経験は、間違いなく大きな財産になりました。

 最後に、ご指導いただいた小野寺先生、ゼミの友人、調査にご協力いただいた皆様に心より感謝申し上げます。

 

 (家政経済学科4年 N.N )


経済・経営コース

 

<労働経済学&女性労働論ゼミ>

 卒業論文は、4年間の集大成です。少し大袈裟に聞こえると思いますが、この卒業論文は、入学してやりたかったことの一つであるデータ分析、3年生時のゼミでの研究、英語の苦手意識克服のために4年生でカナダに留学した経験、大きく分けてこの3つを掛け合わせたものでした。

3年生のときに卒業論文の練習として1つ研究をする課題がありました。そこで、真っ先に思いついたのが、今回の卒業論文のテーマでした。それは、私が日常生活で抱いていた、価値観の根源に関する疑問です。私の価値観は、親の持つ価値観に近いものもあれば正反対のものもある、家事育児への価値観が、親からの影響を強く受ける場合、今後まだまだ女性が仕事と家庭を両立させることは難しいのではないか、家政経済学科のさまざまな授業の経験を通して、このテーマを研究したいと強く思いました。

 4年生の卒業論文では、テーマを変えることがほとんどですが、留学することを先生にお話すると、「同じテーマで、海外と比較したらどう」という助言をいただきました。3年生のときの研究を、ゼミで学んだデータ分析を使って、さらに国際比較までできることがとても嬉しかったです。苦手な英語を克服するため1人でカナダに渡り、英語でアンケートをとるのは、決して簡単ではありませんでしたが、留学生とコミュニケーションをとるきっかけにもなり、友達もたくさんできました。

留学をすると卒業論文にさける時間が減ってしまうと懸念していましたが、留学を調査の場にも生かそうというアドバイスを先生からいただいたことで、どちらも全力で取り組め、プラスに作用したと思っています。

 ご指導いただいた先生方、アンケートにご協力いただいた皆様、ありがとうございました。 

(家政経済学科4年 S.N)